フランスは英才教育はあまり一般的ではなく、フランスの一般的な習いごとは日本よりスタート年齢が遅めです。日本では3歳から始めるピアノ、ベビーからの英会話、スイミングなどが王道ですが、フランスではきちんと集中して先生の言うことが分かる5歳くらいから習いごとを始めることができます。それ以前だと幼すぎるため、グループで習えるところがあまりないので個人レッスンを受けることになります。フランスの義務教育にはクラブ活動がないため、それぞれの家庭で子供のための習いごとを見つけるのです。
文科系で人気の習いごとの一つに、コンセルヴァトワールという音楽院での楽器のレッスンがあります。コンセルヴァトワールで一番人気なのはやはりピアノ。希望者が殺到するので抽選となり、外れた人はプライベートスクールや個人で先生を見つけることになります。日本では「3歳からピアノを」と言いますが、フランスでは3歳で教えてくれる学校はなく、鍵盤に向かう前に一年間みっちりと楽譜の読み方を習うのが先です。その点、最初から鍵盤に触れさせてくれる日本の教育は楽しめて良いですね。
体育系で男の子に人気なのは柔道です。メダルを沢山取っているフランスの柔道人口は何と日本よりも多いのです。習わせたい理由としてはフランスにしては早期の4歳ごろから始められるうえ、礼儀正しさを身に着けられるとされるからです。また水泳やサッカー、ダンスなども人気です。
幼児教育として英会話は日本では人気ですが、フランスではそれ程人気の習い事ではありません。日本のようにテレビCMもしなければ通信教育などの宣伝もなく、フランスではあまり早期に英語を学ぶと母国語との混乱を生じるとされ日本ほど熱心ではありません。確かにフランス語と英語は似ている単語が多いので一理あると思いますが、フランスでは公立の幼稚園から週一度ほど英語の授業があるので、それ以上に「お勉強」をさせたい思う親が少ないのかもしれません。
フランスの学校は水曜日は休み、あるいは半日で終了します。そのうえ、学校は6週間ごとに2週間の休みがあり、大多数の母親は働いているので学校に子供を預ける家庭が多いです。サントル・ド・ロワジールと呼ばれる学童のようなシステムがあり、習い事とは少し異なりますが、アートやスポーツなど多彩なプログラムを用意してあるので子供たちは色々な経験が出来ます。働く女性で水曜に休みが取れない人はシッターを雇い、習い事の送迎をさせます。フランス人ママにとって、仕事と両立することができるありがたいシステムです。
ライター 真帆
翻訳者・校閲者・ライター。パリ情報、パリのキッズ情報、女子旅ならおまかせを♪