フランスと言えばフランス料理が有名ですね。フランス人女性は私たちが想像するフレンチレストランのような食事をしているのでしょうか?パリジェンヌの一日を追いながら答えを見ていきましょう。
甘い朝食?
フランスの朝ごはんと言えば、カフェで頂くようなカフェオレに焼き立てのクロワッサンを想像する方が多いのではないでしょうか?優雅にプティ・デジュネ(朝食)と行きたいところですが、フランスは女性の就業率が高いため、オフィスに向かう前の忙しい朝、わざわざパン屋さんまで焼きたてのクロワッサンを買いに行くことは中々ありません。
では彼女たちは何を食べているのでしょうか?それは買い置きのシリアル、グラノーラ、またはタルティーヌと呼ばれる昨夜の残りのフランスパンにジャムなどを塗ったもの、そして朝食用のビスケットなど様々です。プルーストの小説の一節にマドレーヌを紅茶に浸すシーンが出てくるよう、ビスケットやジャムパンはコーヒーなどに浸して食べるのがフランス的です。
そうした主食にフレッシュなフルーツやヨーグルトなどの乳製品が定番の朝ごはんです。まず第一の特徴として、フランスの一般的な朝ごはんは甘いのです。チョコレートやジャムなどが好まれており、朝からサラダや目玉焼きやソーセージなど、塩気のあるものは食べません。日本の朝食のような味噌汁に焼き魚なんてもってのほかです。朝から魚を食べると言うと大抵のフランス人はギョッとしてしまいます。笑
パリでもBENTOがブーム?
先ほど述べましたように働く女性が多い故、ランチは会社の食堂やテイクアウトなどが主になります。食堂ではフランス式に前菜、メインなどから選ぶことが出来ます。付け合わせの野菜は何種類もあっても2-3種類から選び、日本のように出来るだけ多くの種類を少しずつ頼む人はほぼいません。文化の違いですね。また、パリではお昼休憩が一時間半もあるところが多いです。観光都市であるが故、お昼に観光客と混じってランチするのは通常よりも時間がかかるからです。カフェではランチにサラダを頂くこともできます。
日本よりかなりボリュームがあるので、野菜だけでおなかが一杯になるほどです。美容と健康に気を遣うフランス人女性にサラダは嬉しい味方です。最近ではパリでもBENTOがブームで、日本のようなランチボックスも売っており、自宅からお弁当を持ってくる女性もいます。といっても、朝から張り切って見た目の良いお弁当を作る習慣はフランス人女性にはないので、私たちになじみ深い、彩りとバランスを考えたお弁当とはちょっと違い、大雑把に残り物などを詰めてきたという感じです。
日本にも進出した冷凍食品専門店が活躍?
夜ご飯を見てみましょう。働く女性の味方は日本にも上陸しているPICARD(ピカール)という冷凍食品専門店です。切る必要のない冷凍野菜やお惣菜などの助けを得ながら用意します。時間がない時などは夕方にパン屋で買ってきたバゲット、サラダ、スープとフランスが誇る豊かな種類のチーズ、それにワインなどで軽く済ませます。それだけでもすてきなディナーになります。また、金曜日はお魚を食べる習慣があります。一般的に夕ご飯は控えめで、お昼にしっかりと食べ、夜は軽めに食べるというスタイルが浸透しています。また、日本の夕飯には日替わりで和食、洋食、中華など世界各国の料理が並びますが、フランスの一般家庭で各国の料理が並ぶことはあまりありません。(それ故、作れないのだと思います。)日本の一般家庭の食事はフランスから見るととてもバラエティに富んでいるんですよ。
こう見るとかなり質素な食生活でしたね。冒頭に述べましたフレンチレストランの料理は幻想なのでしょうか?その前に、私たち日本人は皆、家庭で懐石料理を食べているかと言えばそうではありませんよね。フランスも同じく、繊細で見た目の美しいフレンチを全員が作れるわけではないのです。
しかし、フランス人女性は週末に手の込んだお料理をします。週末の朝、焼きたてのパンで朝食を取ったあと、新鮮な食材を求めてマルシェへ繰り出します。スーパーよりかは幾分割高ですが味と新鮮さは抜群です。長いリストを手に、そこで一週間分の食材を買い込みます。フランスではオーガニック野菜もかなり浸透してきており、身近に感じることができます。日曜日にはキリスト教の習慣により、殆どのお店が閉まってしまうので、両親の家へ行ったりして家族で過ごすことも多いのです。
美しくテーブルセッティングをして何時間もおしゃべりしながら食事とワインを楽しみます。日曜日でもパン屋さんは開いているので、そこで買ったおいしいスイーツをお供に、午後のひと時を過ごしてリラックスします。
いかがでしたか?
ライター 真帆
翻訳者・校閲者・ライター。パリ情報、パリのキッズ情報、女子旅ならおまかせを♪