自分の気持ちに素直に生きる女性は、いくつになっても美しい。内面から溢れ出る若々しい生命力と輝きは、人生をより味わい深く刺激的なものへと変えてくれることでしょう。私の暮らすオーストラリアにも、自分の気持ちに素直に生きる女性たちが、自らの人生の舵をとり、生き生きと生活しています。彼女たちを美しく輝かせている原動力はいったい何なのか。今回はそんな海外女性の生き方に焦点を当て、彼女たちの信念や主体的な人生の価値観に触れていきます。
近年では女性の社会進出が進む一方で、日本の女性は多くの固定概念に縛られ生きてきました。
彼女たちは成長とともに様々なボーダーラインを、自らの人生に当たり前のように引き始めるのです。例えば、何歳までに社会経験をこれくらい積んで、何歳までには結婚をして、子どもを生んでという様な感じです。私自身もそうでした。学生時代から将来のことについて、よく友人と理想の人生計画について話し合ったものです。しかし計画通りにいかないのが人生であり、またその思い通りにいかない人生を、自分の手で切り開いていくことが生きる力であり、人生の醍醐味ともいえるのではないかと今は思います。自分の持っている固定概念に支配され、多くのことを諦めている女性たちがいるのは悲しい事実です。
しかし、海外の女性たちは自ら人生にボーダーラインを引くようなことはしません。私の暮らしているオーストラリアで知り合った女性は、固定概念に縛られることはなく、こうありたい理想の自分に近づくための努力を惜しみません。例えば彼女たちには、日本の女性の様な婚期を逃すといった発想もありません。日本でしたら、友人たちの結婚ラッシュや親族からのプレッシャーに何らかの焦りを感じ、結婚に至るというケースはよく耳にする話です。また年齢に縛られることはなく、彼女たちは女性であることを思いっきり楽しんでいます。例えば、歳をとっているからと控えめな色やデザインの衣服を着るのではなく、若い女性に負けないくらい、色鮮やかでファッショナブルであり、自信を持っています。人は自信がつくと、それだけで内面から溢れ出てくるオーラも明るくなりますし、輝いて見えるものです。
私自身、結婚当初は先の見えない将来に不安になり、自信を失った時期もありました。そんな時、私の考えを大きく変えるきっかけとなった出会いが、海外の友人たちです。当時は英語もままならず、異国の地で自分にはいったい何ができるのだろう。このまま年をとっていくだけではないかと落ち込んでいた私に、彼女たちからの一言。
「あなたの人生で今が一番若いのよ。」
この言葉に、私の考えは一変致しました。人生は、考え方一つでいくらでも明るく前向きに生きていくことができるのです。彼女たちは今でも自らの年齢に捉われることなく挑戦し、日々努力を重ねています。友人の一人は退職後、念願だった音楽の道へ進み、今では歌手として活動し、着々とその夢を叶えています。
「こうあるべきより、こうありたい」理想の自分へ近づくために、固定概念に捉われることなく挑戦し続ける前向きな姿勢が、いくつになっても彼女たちを美しく輝かせる力の源となっています。それは私たち日本人女性に新たな価値観、そして勇気を与えてくれることでしょう。
ライター 橋本 尚美
インターネット回線の営業、小学校教諭を経て渡豪。代々木ゼミナール予備校の英語参考書のイラスト、愛媛県伯方の塩ミュージアム映像コンセプトアートを手掛けた実績がある。現在は豪州政府の支援する語学プログラムに参加しながら、執筆活動を行う。趣味はイラストと小説を書く事。