世界各国の女性の学び、キャリアや働き方、結婚・出産、子育て、女性を取り巻く環境やライフスタイルについてご紹介します。
カナダ(北米圏)では、みんな若くして結婚します。特に、ほとんどの女性は20代前半で結婚します。なので、結婚が先で、その後カレッジや大学に進学とい うケースが珍しくありません。多くの若者は高校卒業後1年程はアルバイトをして自分が将来何をしたいかをゆっくり、じっくり考えるための時間を取るので す。あせらずに本当に自分のしたいことを探します。
学校を卒業し、ある程度キャリアを積んだ分野があったとしても、自分のしたいことが見つかれば、また学校に通い始めます。ですので、カレッジや大学などでは40代、50代の方を見かけることもしばしばです。また、復学も多いです。
結婚、出産、子育てなどで、一度は中断したものの、また学び始める人もたくさんいます。学費も割安で、学費が税金免除の対象になる場合もあります。カナダ は女性に教育を受ける権利が確証されている国とも言えるでしょう。その証拠としてカナダの女性は男性よりも大学卒業者が多いのです。また、連邦裁判所の判 事の3分の1は女性です。カナダは女性が教育を受けるチャンスに恵まれた国といえます。会社帰りのお稽古事としてポピュラーなのではやはり、ジム通いで す。ランニングやスイミングなど体を鍛え、スリムに健康的に暮らしたいと願う女性が多いようです。そのため、巨漢と呼べる人はあまりいません。みなさんあ る程度健康的なボディーを維持しています。
教育と同様にカナダは女性にとって職場環境も職場待遇も大変恵まれた国であり、女性にとってはまさに先進国です。女性に最高のクオリティ・オブ・ライフ (生活の質)を提供している国はどこか?という調査が行われ、ある調査の結果では、カナダが1位でした。モントリオール銀行が行った調査で、カナダ女性の 36パーセントが起業に興味があることが判明しました。カナダの女性起業家の割合は世界トップクラス。企業オーナーとしての参加率はアメリカと同等、起業 率もドイツやフランス、日本などより高いと報告されています。自営業者の95万人が女性で、全体の約3分の1を占めています。
このように、女性がこれほど積極的にビジネスに関わる理由は、カナダには女性がビジネスに関わり易い土壌があるからなのです。カナダは働く女性のための法 的、社会的体制が整っていて、結婚出産を理由に仕事を辞める女性は少ないのです。つまり女性であることが、ビジネスにかかわらない理由にはならない、ビジ ネスに関わるかどうかは本人次第という考えが根底にあるようです。カナダでは、夫婦共働きの家庭は珍しくありません。女性が男性よりも多く稼いでいるとい うことも、少なくはないのです。
カナダでは、結婚のお祝いにウェディングシャワーというものを友達や親戚が開いてあげます。そこで、新婚生活に必要な日用品などをプレゼントするのです。 このパーティーはほぼ皆がするため、デパートなどに行くと、ウェディングシャワー用のコンピューターが置いてあり、結婚する人が選んでおいた品を表示して くれます。その中から、自分の予算にあったものを買うという、システムになっています。なので、自分の欲しい物を買ってもらえるのです。
結婚を若くしてする人が多いため、自然と子供も若くして産みます。出産は日本のように入院、出産、退院といった形ではなく、出産して、はい、退院というも のです。妊娠中も出産ギリギリまで働きます。お腹の大きなフライトアテンダントなんかもいるので、びっくりすることもあります。カナダは基本的な医療費は 無料です。ですので、出産にかかる費用などはありません。負担がすごく少ないのです。また、出産休暇中の人を解雇できない法律もありますので、安心して休 暇を取ることができるのです。法律で保証されており、産後の女性の再就職率も高く、結婚や出産を理由に退職する女性は少ないです。これほどまで、女性に優 しい、女性のことを考えた国は珍しいといえます。
カナダでは国の子育てサポートが非常にしっかりしています。子供が18歳になるまで政府の援助金を子供一人につき決まった額を受け取ることができます。ま た、高校まで、学費はもちろん無料です。レクレーションセンターや、市民センターなどでは無料の水泳教室、スポーツ教室などを受けられます。児童が通学す る時間は通学路にサポーターがいるので、安心して子供が道路を渡れます。
子供が何人かいても経済的にそれほど負担にならないのです。子育てに関する家族の関わり方はそれそれのバックグラウンドによって全く違います。カナダは移 民の国。本当に多くの国の人を見かけます。イタリアなど南ヨーロッパ系の家庭では家族が親密で、子供の世話は祖父母がみます。カナダでは、子供を一人で家 に残してはならないという法律があるため、子供がいる限り絶対に大人が家にいなければなりません。
この子供の世話を祖父母がみるという習慣のない国の人たちは、人を雇って子供が学校から帰ってきた後の数時間を過ごします。アジア圏では、子供ができたら 子供中心の生活に変わりますが、カナダでは違います。子供よりも夫婦中心の生活をあくまで送ります。ですので、子供を誰かに預けてたまには夫婦二人のデー トを楽しむカップルもたくさんいますし、夫婦生活があっての子育てという感じです。男性も子育てには非常によく関わるので、女性が外で働きやすい環境です。
日本では、経済的に安定した職業の男性と結婚し子供を立派に育てることが多くの女性のライフスタイルだと思います。その途中にまた働き始める方もいらっしゃると思いますが、何かを学ぶために復学といった選択を取る女性は珍しいのではないでしょうか?自分のための人生というよりは、どちらかというと旦那さ んや子供のための人生、誰かのためのライフスタイルと言えるかもしれません。かなり、近代化されてきたとはいえ、まだまだやまとなでしこ精神は残っているようです。
しかし、カナダの女性は、自分の力で! という意識の女性が多く、夫を頼って暮らすという考え方はあまり無いようです。その分独立心が強いため離婚率は高いです。離婚してまた再婚します。ステッ プファミリーがとっても多いのも事実です。でも、裏を返せば離婚しても経済的にも独立できる女性が多いのも事実です。キャリアのために、何歳になっても復学しますし、新しいことにもチャレンジします。定年は65歳で、定年まで勤めあげるケースも多数あります。どこにいっても、年配の従業員を多くみます。あくまで、自分の生きたいように生き、自分の人生!という概念を強く持ち続ける自由な生活がカナダの女性のライフスタイルだと言えます。
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