澤田玲奈さん

 

数回の異職種の転職を経て現在に至る。Webサービスの本職に携わりながら、一方ではプロボノ活動に従事し、活動の幅を人脈の幅を広げ、最終的な自分の着地点を見つけているまっただ中。ONもOFFも現在、好きなことをやり続けている。(もちろん、苦楽あり。)
 

URL:http://www.probonet.jp/crew/crew_profile/r-sawada
Blog:http://ameblo.jp/marikari625
 
 
 

これまでの人生のマイルストーン

 
 

短大卒業 21歳
就職 21歳
直近の転職 30歳  ここの会社に入ったことで、きっかけをくれた人に出会えた
見つけるきっかけの人に出会い、やりたいことを見つけた 36歳
現在の活動を開始 36歳
 
 
 

プロボノという活動に参加されているそうですが、プロボノとはどういった活動ですか?

 
 

プロボノ=ラテン語で、「Pro bono publico(公益のために)」からきている言葉です。人から聞かれたときに、気を付けるようにしているのが「一言で言うなら何?」と答えられる様にすること。一言でいうなら、「スキルのボランティア」。自分の持っている専門スキルを他社(他者)のために還元する、社会貢献活動です。
 
 
 

普段はどのような活動をされていらっしゃいますか?

 
 

二つのプロボノ団体で活動していますが、現在は一つの団体「プロボネット」というコンサル専門のプロボノ組織で、クルーとしてプロジェクトへ参加したり、団体の事務局運営をしています。
 

この団体での活動は、主に平日夜です。事務局員としての活動は、月に一度定例会があり、案件進捗の共有やクルーサポート、クルー募集など多岐にわたる議題 を、2~3時間かけて話し合いをしています。クルーとして参加するときは、1~2か月に一度、チームを組んだクルーとのMTGやクライアント先へ訪問して提案、MTGをもって課題解決のゴールに向かって進みます。
 
 
 

興味を持ったきっかけ、そして参加に至ったきっかけは何でしたか?

 
 

知り合いから紹介された「社会起業家」の方と話をする機会がありました。それまでは、メディアなどでさまざまな社会課題に取り組むコンテンツを見ては、「私 も何かやりたい!何ができるか?」という高ぶる気持ちが増幅し、時が経つと気持ちは沈着し、の繰り返しでした。理由は、きっとメディア側のことと自分自身の距離が遠かったからです。
 

しかし、その方のお話を伺ったことで、活動に対する距離感がとても身近に感じ、勝手にモチベーションが上がり、そのモチベーションのまま、自分が出来ることを、まずはネットで探しまくるという行動をすぐに起こしました
 

これがきっかけです。
 

私がやりたいのは、お金だけの寄付だけではなく、もっと誰かの役に立っている実感が湧くようなボランティアをやりたい。そのことだけでした。そういう事がしたいのだと、アウトプットしていくと、周りから情報をいただいたり、縁のある方を紹介したりしていただけるようになりました。
 

紹介された人から「プロボノ」というワードを知ることになり、「お!それじゃん!」と。そして、前述のプロボノ団体や他のプロボノ団体に辿りつき、「なにかやりたい!」「すぐにやりたい!」という急いた気持ちから、すぐに門を叩いたことで、案件に携わることができたのです。
 
 
 

プロボノというと社会貢献というイメージがあるのですが、その点に関して日頃から意識してきたことはありますか?

 
 

実は、いつも気になり、考えてきていることがあります。
 

「困っている人のために、役に立ちたい。」この言葉は、本心であるのと同時に、果たして本心か?と自問するのです。なぜか?この活動をする自分は、偽善者ではないか?と考えてしまうからです。
 

以前読んだ本で、「自分に余裕があるから、人のために尽くすことができる。自分に余裕が無いと人助けができないなんて、偽善者だ。」というようなセリフがありました。それは、時間や、お金や、スキル、すべてに言えることです。
 

確かに、と思う自分がいて、とすると自分は偽善者なのか?とも考えたりします。とはいえ、プロボノ活動をしている自分を、嘘偽りで活動しているわけではないので、完全なる偽善者ではないと言い切れるも、自分に時間・お金・スキルのどれもに余裕がなかったとしたら、プロボノ活動ができたか?
 

答えはNO。確固たる答えを今も探しながら、活動しています。
 
 
 

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-カンボジアでのプロボノ活動-
 
 
 

ありがとうございます。お話を伺ってみると、報酬の有無にかかわらず “誰かの役に立ちたい”という価値観こそが、玲奈さんの心を満たすことなのかもしれません。プロボノという活動がスキルのボランティアであるとおっしゃっ ていましたね。それではプロボノという活動自体は何を目的に始まったものなのでしょうか?参加されている方々はどのような目的意識を持っておられますか?

 
 

この活動をする前の私は「充実感」不足でした。「もっともっと、自分を活かしたい・生かしたい」という感情があっても何をしたら良いのか分かりませんでした。プロボノ活動という以前に、大前提として社会貢献活動があります。前述していますが、社会起業家の方とお会いしたことで、今まで「社会貢献」に心が引きつけられるも、行動に踏み出せなかった私に一歩踏み出すきっかけを与えて頂きました。私は、自身が受けたもの、学んだこと、得たもの、これら(Input)を、それを必要とする人に還元(Output)していきたいのだと感じています。そこ(プロボノ活動)に、それらが見いだせると思いました。じゃあ、その「充実感」とは何か。
 
 

・私のスキルが誰かの役に立つ充実感
・現状のスキル以上の向上がある充実感
・ここ(プロボノ活動)でこそ会える人たちがいる充実感
 
 

今、私が考えるのは、この3つです。「ペイ・フォワード」という映画があります。その考え方がそれに近いかもしれません。今、私にできることを、提供できる人たちに向けて、行動していくのみです。私のInputがOutputによって、それが必要な人の役に立てるなら嬉しいです。その人たちが喜んでくれるなら、なお嬉しいです。
 
 
 

これまではどのようなお仕事をされてきましたか?

 
 

小さな輸入下着の販売会社に新卒で入りました。海外への買付から、販売・経理事務までを担当。海外買付という言い方はかっこいいですが、本当に買ってきた、 というような。。。そのあとは、出版業界で印刷物ができるまでのノウハウを会社で何度も朝を迎えながら学んでいく、という怒濤の日々を過ごし、その知識で さらに知見を増やすために転職し、クライアントの印刷に関わる販促物の企画・営業・進行・品質管理など一連を経験。その後、現職へ転職し、Webサービス の立ち上げ、コンサルティング、グループの管理などに従事しています。
 
 
 

やりたいことを見つけるまでの道のりについて教えてください。どのような経緯で興味関心が変化しましたか?

 
 

自分が満足するまでのものは、まだ見つかっていないですし、まだまだ探している途中です。最初の変化のポイントは、冒頭でお話した「社会起業家」の方のお話を伺ったこと、そしてこれが大きく私の行動を促すこととなりました。その後、フェアトレードの活動をされている方に会い、さらなる縁をいただきました。そこから「プロボノ」というキーワードを教えていただき、ヒットした団体がタイミング良く団体説明会が近日に開催されることが、私のモチベーションを持続することにも繋がっていました。
 

二つのプロボノの団体に参加したことで、多くの団体、人に出会い、学ぶ機会が急激に増えました。その中で私は自分に一番ヒットするものが何か、常にアンテナを張っています。いつどこでどのような機会に遭遇するか分からないので、私にとっては行動こそが興味関心の変化のポイントです。この数年で、本当に感じたのは、「人との出会い」は、自分がアウトプットすればするほど、向こうからやってきて、その出会いは必ず自分の糧になっているということです。
 
 
 

現在の活動を通してやりがい、たのしいこと、大変なことをおしえていただけますか?

 
 

■やりがい・楽しいこと
 

自分が必要とされていることが分かること、そして自分が学んで成長していると感じられることと同時に、提供した相手が一歩先へ進むことができたと分かることです。
 

■大変なこと
 

大変というのは、「難しい」、「困った」、「思うようにいかない」と思ったりして、歩みが止まってしまうことです。そしてその歩みを進める方法が見つからないこと。その方法を模索することを後伸ばしにしてしまう自分と対峙することです。
 
 
 

玲奈さんにとって働くこと、とはどういう意味を持ちますか?

 
 

自分の可能性を広げていくこと。直接は存じ上げないのですが、福島正伸先生という、多くの方のメンターになっている方がいらっしゃいます。その方の数ある名言の中で、「限界は自分で決めてしまうから限界になる」という言葉があります。その言葉は忘れないようにしています。それがモチベーションとなって、私は今現在も勉強中で、それを本業やプロボノに活かし続けることができます。
 
 
 

プライベートとお仕事のバランスは取れていますか?

 
 

取れているはずです。ただ、私は「実現できない完璧主義者」(笑)なので、どこかでちょっとずつ周りの方にご迷惑をおかけしていると思います。それが申し訳ないと思いつつ、言わないけれど頑張ってます。
 
 
 

自分の時間をどのように過ごしていますか?趣味はありますか?

 
 

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自分の時間は、長期の時間がある場合には、海外旅行に行きます。ダイビングが好きで、一番初歩のライセンスですが、一年に一度は潜るようにしたいと努力中。潜れなくてもきれいな海が見られるだけで、テンションが上がります。
 

短期の時間がある場合には、家族に会います。勝手に家族孝行っぽいことをしています。あとは、何もしない日も作ってます。必ずON/OFFは切り替えてます。
 
 

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やりたいことを仕事にする時にはある意味覚悟が必要ですが、その勇気ある一歩を踏み出せた理由を教えてください。

 
 
 

「仕事」というと報酬が付いて回るものだと思っていますが、あえて無償のプロボノ活動に視点をおいてお話します。「やりたい」気持ちだけで、簡単に一歩を踏み出していました。「やりたい!やるんだ!」という気持ちの強さが強いほど、行動に移すまでの時間の速さは短いです。ですから、その気持ちを持った時、すでに一歩踏み出す行動に出ていると思います。
 
 
 

今後の目標やこれから挑戦したいことはありますか?

 
 

新しい社会課題解決のプラットフォーム立ち上げのプロボノ案件に声をかけていただいています。これが立ち上がったら、何か新しいものが生まれると予感しています。
 

そんな新しいものを生み出す今が、挑戦中です。
 

今後の目標は、本業と社会貢献活動の二束の草鞋を吐きながら、私の知らない世界の見聞をONでもOFFでも広げていきたい。そのための活動はどんなことでもしていきたいです。
 
 
 

ライフプランとマネジメントは意識してきましたか?

 
 

最近、ライフプランは意識しています。自分の目標・挑戦したいことを実現するにあたって、どんな生産活動が望ましいか、計画中です。そのためのタイムマネジ メントは、事前計画をしていないまでも、コントロールしながら構築しています。マイコーチが制作した手帳は有効活用しています。ただし、実行が伴っていな いので、それが今の私の課題です!
 
 
 

今後のライフプランについて教えてください。

 
 

自身の活動は、国内外問わず活動できるものだと考えています。そのため、活動の幅を海外にも広げたいと、漠然とですが思っています。これらの活動は、すべて継続可能なものにしたいです。
 
 
 

玲奈さんのこれからも含めた人生全体を眺めた時、どのようなライフスタイルを描いていきたいですか?

 
 

「複数の顔を持つ一貫性のある私」というスタイルを築き上げたいです。
 

さまざまな組織やコミュニティに属し(多すぎると自分自身が破たんするので、そこは調整しますが。)、その組織上で成り立つ自分もいれば、個人として成り立つ自分もいて、その底辺にあるコンセプトは、やはり「社会貢献」でありたいと願っています。
 
 
 

これから夢を実現に向けて一歩踏み出したいという女性に向けてメッセージをいただけますか?

 
 

一歩踏み出したい。けど踏み出せない。という女性に向けてのメッセージとしてお送りします。
 

「踏み出せない」その理由は何でしょうか? 何があれば踏み出せそうですか?(エラそうですみません!自分にも答えがまだ出てないこの問い!)
 

私は、そのヒントを自分だけで考えるのではなく、アウトプットをすることで、呼び込むようにしています。自身がインプットできたものは、必ずアウトプットをするようにしています。そしてそれらに、感謝をしています。みなさんも是非実践してみてください。
 
 
 


 

自分のやりたいことを探す、というそのプロセスにおいて、非常に多くのヒントが伺えたインタビューでした。大きな夢への途中にある、ひとつの目標をクリアした玲奈さんのストーリーをお届けしました。これからも大きな夢へ向かって輝いてください!
 

玲奈さん、素敵なストーリーをありがとうございました!