松崎由香さん
 

新潟県出身 昭和音楽大学卒業
東京二期会所属メゾソプラノ歌手
「心と声を繋いでなりたい自分に成るレッスン」
Voice express主宰 URL http://singyukaring.jp
 

これまでの人生のマイルストーン

やりたいことを見つけた 16歳
進学 22歳 大学卒業
オペラソリストとしてのデビュー 26歳
 
 

オペラ歌手というとても素敵なお仕事をされていらっしゃいますが、目指されたきっかけは何でしたか?

 

高校1年生の秋に合唱部に入ったのが全ての始まりでした。ある日突然、顧問の先生(音楽教諭)が「将来他にやりたい事がまだ見つかってなかったら、声楽をやってみないか。」と声を掛けて下さったのがきっかけでした。 それと同時に、マイクを使わずに発する声の力を初めて感じて感動して、「自分も歌ってみたい。こんな声を出したい。」と強く思ったのを憶えています。
 
 

オペラ歌手という、やりたいことを見つけるまでの道のりについて教えてください。どのような経緯で興味関心が変化しましたか?

 

私の場合は、ごく稀なケースだと思いますが、この合唱部の顧問の先生に声を掛けられたと同時に自分の中にあった情熱に火がついて、その日からやりたい事が歌になりました。今思えば、いつも心の何処かで「何か」を探してウズウズしていたのだと思います。もともと音楽を聴くことは好きでしたが、演奏の分野は全くと言っていいほど知識も経験も無く、「ただやりたい。」この想いひとつで夢へと動いていたと思います。
 

自分でも驚くほどに、歌への情熱は高まっていきました。
 

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オペラ歌手として、やりがい、たのしいこと、大変なことをおしえていただけますか?

 

やはり、目の前のお客様からの拍手や笑顔、時には涙、、様々なお声や反応を頂けたとき、共に同じ時を共有できた瞬間がやりがいを一番肌で感じる瞬間です。
 

ですが、ここ最近は自宅で独りで練習している時や歌を通して新たな気付きがあった時、何気ない日常の中でも歌と寄り添っている自分が居ることに気付けてか ら、何かと深い喜びを感じることが多くなりました。年齢と共に、歌との向き合い方が変わってきました。そしてこれからも変わり続けると思います。
 

大変なことは、特別感じません。とにかく好きなことだけに集中できるので、仮に大変だと感じる瞬間があったとしても直に忘れてしまうん です。。(笑)ちなみに、よく「体調や喉のコントロールが大変ですよね?」と聞かれる事が多いですが、個人的には特別な制限は無くて私はお酒も好んでいた だきますし、冬になったら乾燥に気を付けるくらいで他は特に気にしていません。日々気持ちよく歌えていること自体がコンディションを整える秘訣となってい る気がしています。
 
 

オペラはイタリアが本場ですが、海外にも興味関心がありましたか?オペラのどのような点に興味を持ちましたか?またゆかさんにとってオペラはどのような存在ですか?

 

実は、海外は歌に出逢う前から興味関心が高かったです。高校に入学してから割と早い段階で留学をしたいと考えていましたし、外国語を習得したいとも思っていました。この感覚は、オペラを学び始めてからも、その想いは変わらず続いています。
 

オペラは、声のドラマ。
 

歌を始めるきっかけでも言いましたが、「人間の持っている声のエネルギー」に興味があるのだと思います。オペラは、私にとっては常に自分の限界を超えて挑むものです。今ではこうして人前に立つ仕事をしていますが、歌に出逢う前の私は人前に立って発信するなんて想像もつかないくらい内向的でした。そんな自分が歌に出逢いオペラの世界に魅了されて、こうして舞台でオペラの役柄を演じて歌っているので、自分の限界を超えて表現しているのだと現在でも感じています。
 
 

オペラというと海外生まれ。外国の方が歌舞伎を演じるようなイメージですが、その点に関して意識することはありますか?また日本人だからこそ伝えられる、表現できることという点も、意識されていることがあれば教えていただけますか?

 

正に、日本人がオペラの舞台で演じることは、外国の方が歌舞伎を学び演じることと同じ感覚だと思っています。 そして私自身も、日本人がオペラを歌うことの意義をいつも頭の片隅に置きながら声楽(歌)と向き合ってきました。
 

いま思うことは、サッカーや野球を始めとするスポーツの分野で海外で日本人が活躍を果たしている事と同じ様に、本気で世界に出たいと思うならば音楽の世界でも境界線を超えていけると信じて視野を広げ声を磨くということです。また日本人の持つ「情緒」ある細やかな表現は、原語の壁を超えて日本語で歌ったとしても外国の方にも通じ合えるのではないかと感じています。
 
 

ブログやメールマガジンからも、ゆかさんの独特の感性が伺えます。芸術分野は感性も非常に要求される分野かと思います。日頃から感性を磨くために意識していることはありますか?

 

これまでに「感性を磨く」ということをそれほど意識した事は無かったのですが、敢えて言葉にしてみると、気になった物事は実際に直接見たり聞いたり話したり、「生で触れる」ことをしています。
 
 

自分の時間をどのように過ごしていますか?趣味はありますか?

 

仕事以外の時間は、とにかく自分が心地よくなること、エネルギーをチャージできる様に過ごしています。気になった場所を訪れて遠出をする事もあれば、部屋で静かに音楽を聴きながら好きな写真家の写真集を眺めたり、本を読んだり時間軸を外してゆっくり 過ごすことが好きです。また、近所の居心地よいカフェがあるのですが、遅い時間まで営業しているので、歌の練習や稽古が終わってからお酒を飲んで仲良く なったスタッフさんと話をすることも楽しみの一つです。最近は、自分と自分が住む街との関係性を考えてみる時間も増えました。
 

趣味は色々とありますが、いまパッと思いつくのは美術鑑賞・ギャラリー巡り・DJです。
 

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やりたいことを仕事にする時にはある意味覚悟が必要ですが、その勇気ある一歩を踏み出せた理由を教えてください。

 

私の場合は、歌への情熱が覚悟と勇気を与えてくれました
 

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好きなことにエネルギーを注いでいると、不安などは消されてしまうのですね。もちろん数々の初めての経験は沢山緊張もしますが、情熱を注いで挑戦している自分に自信を持つことが出来たのだと思います。
 

ですから時間は掛かったとしても、変わらず情熱を注げるものかそれをやっている時の自分が好きがどうか。この二つが大きな鍵だと思います。
 
 

もしこの世にオペラがなかったら、他に目指したいものはありますか?

 

実は、歌を始める前は写真をやってみたかったんです。 あとは漠然とですが、映像の世界にも興味はありました。 調べていくうちに写真の技術や専門用語などを見て、自分には向いてないかも・・・と始める前から自分でレッテルを貼ってしまいましたが、10代の頃に本気 で取り組んでいたらどうなっていたか「もしも」の世界を見てみたい気もします(笑)
 
 

今後の目標やこれから挑戦したいことはありますか?

 

オペラ歌手・クラシック歌手という枠を超えて、様々なアーティストとのコラボレーションや作品の制作・発表を意欲的に行っていきたいです。また、10代の頃から影響を受けているロンドンのカルチャーを実際に肌で感じ、アートギャラリー等でライヴパフォーマンスを行ってみたいと思っています。
 

そして、現在は歌い手としての活動と同時に、快適な日常を手に入れ、自分らしい表現を探求することを目的とした呼吸と声のレッスンやワークショップを行っていますが、この活動を日本全国に発信していきたいです。
 
 

ライフプランとマネジメントは意識してきましたか?

 

先ず、昔から「必ず歌で生きていく。」とイメージは強く持っていました。 そして、自分よりも一歩先行く先輩方の振る舞いや姿勢などは意識していました。そこから学び意識している事は、自分が何をどうやって伝えたいのか、何を表現していきたいのか。その為には今何をすれば良いか。を、常に言葉にすること。
 

そして、目の前のことを大切にしながらも、少し先のヴィジョンを思い描くことを意識することは忘れないようにしています。
 
 

今後のライフプランについて教えてください。

 

生涯歌い続けていたいです。そして、「歌は一生もの」だということを体現している。年齢を重ねても、海外と日本を行き来し、歌で世界を繋ぐ象徴になれたら最高ですね。
 
 

これから夢を実現したいという女性に向けてメッセージをいただけますか?

 

私自信まだ夢の途中ですが、これだけは本当に実感しています。「自分の夢を誰かに先ず伝えてみること。」が実現への第一歩。何かがたまらなく好き、何かをしたい、こうなったらいいなぁと思ったら、その想いを言葉にしてみて下さい。 そして、それを素直にそのまま発信する勇気を持って行動してみてください
 

ここから出逢いが生まれ、始まる何かが待っています♡
 
 


とても素敵な感性をお持ちの由香さん。素敵なストーリーをありがとうございました!